【3月14日 一般質問に登壇しました】
公立学童保育の質の向上と預かり時間の延長を!
民間学童保育の入室審査基準の明確化と、煩雑な入室手続きの改善を!
小学校入学を機に親が仕事を辞めたり働き方を変えなくてもいいような、放課後のさらなる環境整備を!
こんばんは
3月14日に一般質問に登壇しました。
1つ目のテーマは、以前からずっと課題を感じていた「戸田市における学童保育について」取り上げました。
私自身も共働き家庭で育ち、小学校1~2年生の頃は小学校敷地内の公立学童保育に通っていました。当時は高齢のおばあちゃんの学童指導員さんがひとり居て、おやつを食べる以外はほとんど友達と自由に過ごしながら、夕方まで親のお迎えを待つ場所でした。
成長に伴い、「放課後は好きな友達と遊びたい」と親に訴え、3年生からは学童をやめて留守番をする選択をしました(いわゆる鍵っ子です)。母は最初は心配したものの、当時は公園に行けば沢山のクラスの友達がいたり、近所の顔見知りのお母さんに頼ることもできました。
ですが、現代社会では子育てを取り巻く状況が大きく変わっています。現代では共働き家庭も増え、親も仕事と育児に忙しくて時間的な余裕がなく、子供が公園にふらっと遊びに行っても事前に約束しないとお友達とは会えず、習い事をしている子供達も多く、昔と比べても、地域で子供が自由にのびのび遊べる状況ではなくなっています。
日本における共働き家庭は年々増え続けていますが、共働き家庭が安心して仕事と子育てを両立していくためには、保育園や学童保育の環境整備が欠かせません。
ですが、現状はどうでしょうか?
子供が保育園から小学校に入学した途端に子供の放課後の過ごし方で悩む保護者が急増し、親の働き方を変えざるを得なかったり、仕事を辞めざるを得ない「小1の壁」はいまだ十分に解消されておらず、子供の放課後の環境整備はまだまだ十分とは言えないのではないでしょうか。
私のもとには、「民間学童保育に入れずに仕事を辞めざるを得なかった」という保護者からの1通のメールが届きました。
なぜ審査に落ちたのか理由が分からず、納得できないという「怒り」と「悔しさ」も含まれていました。公立学童では入室審査基準が点数化されていますが、民間学童では、入室を決定する審査基準については各民間学童保育室の独自の考えが反映されたものとなっており、基準が一切公表されていません。
保護者にとって、民間学童保育室に入室できるかどうか、つまり審査に通るのか落選するのかという決定は、親の人生も大きく左右する非常に重要な決定ですので、審査において一定の基準を設けることも必要だと感じます。
そこで、公平性・透明性・納得性を確保するために、民間学童の入室審査における一定の基準を公表することはできないかどうかを市に伺いました。
他にも、公立学童保育に子供を預けているシングルマザーの方から、「子供がよく学童でケガをして帰ってくるけど、学童ではトラブルに対応してもらえなくて、安心して学童に通わせることができなくて困っている、母子家庭で仕事を辞めるわけにもいかず、追い詰められている。どこに相談していいのか分からない。」という、困り果てたママからのご相談もいただきました。
このトラブルに関しては、私が市役所の担当課に直接ご相談して、市役所から学童経由で対応していただきました。このことからも、公立学童保育でのトラブルに対して、安心して相談できる体制や相談場所が必要だと感じました。
他の保護者からは、学童の入室手続きの煩雑さに関するご意見も寄せられました。市に一括で入室申請を行う保育園とは違い、学童保育は、公立、そして各民間学童ごとに、ひとつひとつ個別に申請を行わなければならず、それぞれの学童が別々に日程を定めた説明会への参加が必須であり、説明会予約のための争奪戦、申請書の作成や提出、仮入室手続きなどを個別に行わなければならない点において、ワーキングマザーにとっては大変負担が大きいとのことでした。
これについては私も他の自治体などを調べてみたところ、戸田市の民間学童の運営方法は「委託・指定管理」などの点で他の自治体とは異なる点も多く、さいたま市のような一括申請は現実的には難しいと感じましたが、例えば、保護者の民間学童への申請手続きの負担を軽減するための対策として、複数の民間学童の合同説明会を市に提案しました。他の自治体でも保護者の情報収集をサポートするために合同説明会を行っている自治体もあります。
他にも、令和4年11月実施のパブリックコメントでは、「民間の学童は習い事を沢山取らないと入れないと聞いた。シングルマザーなど優遇措置がなくなり、お金を払えない家が入れなくなることはおこならいか。」といったコメントが市に寄せられましたが、私も同じような相談を受けたことがあり、ママ友からは「民間学童の入室説明会では、その学童でどれだけたくさんの習い事を申し込むかを入室基準にします、と明言していた学童保育もあるけれど、市が補助を出している民間学童がそのような選定基準を設けることはフェアではないのではないか。」とのご意見をいただきました。やはり、民間学童保育への入室審査基準については、一定の審査基準を公表することが必要なのではないかと感じた出来事でした。
また、公立学童保育と、民間学童保育に、大きな格差が生じている点についても以前から気になっていました。お金を多く払って、英語教育やダンスなど質の良い習い事ができる民間学童保育も多くありますが、公立学童保育に関しては、慢性的な人手不足であると聞いています。
「放課後に親の帰りを待つだけの場所」という役割以上のものが公立学童保育にも求められているのではないでしょうか。公立学童保育においても、民間学童保育と同様に、質の向上を目指してほしいと思います。それに関しては、先日の総括質問で菅原市長から「公立学童保育全体の質の向上を目指す」とのご答弁がありました。
学童保育を利用する期間は長くはないかもしれませんが、毎日をそこで過ごす子供や保護者にとってはとても大切な数年間であり、保護者も子供自身も安心して放課後を過ごすことができる環境整備を心より切望します。
また、子育てしながら「働きたい」と就労意欲のある親が、小1の壁によって仕事を続けられなくなってしまう状況は、社会にとっても大きな損失であり、本当に悔しく思います。子供の環境の変化によって、親がとたんに無職になりかねない日本の現実は先進国とは思えず、このような状況では少子化が加速するのは必然かと思います。
岸田首相からは「異次元の少子化対策」も表明されましたが、何よりもまず、子育てに必要な制度を、希望する全ての人が利用できるという根本的な対策が求められているのではないでしょうか。今でも、仕事と子育てで綱渡りの日々を送る家庭が市内にはたくさんあり、私にも多くの相談が寄せられています。
今回の一般質問では、公立学童保育および民間学童保育における様々な点での改善を求めるとともに、子供たちが放課後を安心して過ごせる環境整備を切に訴えさせていただきました。
保護者の方々から寄せられた沢山の意見、「怒り」「疑問」「何とかして欲しい」という様々な切実な現場の声をもとに、この一般質問を作成しました。
よろしければ、ぜひ全文をご覧になってみてください。皆様からのご意見ご感想もお待ちしております。
一般質問全文「公立及び民間学童保育室について」
続いて、件名2「公立及び民間学童保育室について」に移ります。
先日、岸田首相による「異次元の少子化対策」が発表され、三本柱の一つである「幼児教育・保育サービスの強化と全子育て家庭への支援拡充」について、現在国会で議論されています。
また、2019年には厚生労働省と文部科学省による「新・放課後子どもプラン」が策定されてちょうど5年が経ちますが、共働き家庭の「小1の壁」「待機児童」を解消することを目標に掲げ、全ての児童が放課後を安心・安全に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるように、そして女性就業率の上昇を踏まえ、2023年度末までには放課後児童クラブの30万人分の受け皿の整備が進められてきました。
日本における共働き家庭は年々増え続けていますが、戸田市も例外ではなく、共働き家庭にとって安心して仕事と子育てを両立していくためには、保育園や学童保育の環境整備が欠かせません。
先日、戸田市に住む2人の子育て中のお母さんから1通のメールをいただきました。
結論から言うと、学童保育室に申し込みをしたけれど審査に落ちてしまい、最終的には仕事を辞めざるをえなかったという悔しさを滲ませる内容でした。具体的な経緯を伺うと、戸田市の公立学童は預かり時間が19時まででお迎えに間に合わないため、最初から民間学童に入室申請をしたそうです。しかしながら審査が通らず、子供が1年生の頃はやむを得ず公立学童に入室したそうです。
1年生の間はなんとか公立学童に通ったものの、お迎えに間に合わない日も多く、子供が2年生になり改めて民間学童に申請したところ、今度は1年生が最優先との理由で、再び審査に通らなかったそうです。助けてくれる祖父母もおらず、学童保育だけが頼りだったそのお母さんは、最終的には仕事を辞めざるを得なかったそうです。保育園の助けを借りながら6年間、夫婦二人三脚で頑張ってきたのに、「小1の壁」を乗り超えることができず、仕事を辞めざるを得なかったことに大変な悔しさを訴えていました。
また悔しさだけではなく、民間学童保育室では審査基準が公表されておらず、周囲で審査が通った家庭との環境を比較してみても、自分の家庭が審査に通らなかった理由に納得できず、今でも「なぜ」という思いがずっと消えないそうです。
例えば、さいたま市などでは公立だけでなく民間学童においても審査基準を厳格に点数化していますが、戸田市においても、民間学童の入室基準を厳格化することへのご要望もいただいています。
他の保護者からは、入室手続きの煩雑さに関するご意見も寄せられました。市に一括で入室申請を行う保育園とは違い、学童保育は、公立、そして各民間学童ごとに、ひとつひとつ個別に申請を行わなければならず、それぞれの学童が別々に日程を定めた説明会への参加が必須であり、説明会予約のための争奪戦、申請書の作成や提出、仮入室手続きなどを個別に行わなければならない点において、ワーキングマザーにとっては大変負担が大きいとのことです。
公立だけでなく民間学童においても一括申請をしている自治体もあるとのことですが、戸田市でも負担の大きい申請手続きを改善できないか、という声が寄せられています。
そのような現場の保護者たちのご意見を踏まえて、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
件名2.「公立及び民間学童保育室について」
小学校は保育園に比べて下校時間が早くなり、子供の小学校入学を機に保護者が働き方の変更を迫られたり、学童に入室できないと親は仕事を続けられなくなってしまう厳しい状況から、共働き家庭ではこの状況を「小1の壁」と呼んでいる。働き続けたい保護者にとって学童への入室は非常に重要な問題であり、子育てをしながら働きたい人が働き続けられない状況を解消しなければ、少子化への根本的な対策にはならない。国は異次元の少子化対策を発表したが、何よりもまず、子育てに必要な制度を必要なときに、全ての保護者が利用できるようになることが少子化対策には最も重要であると考える。これまで保護者からの要望や改善を求める切実な声が多く届いており、以下3点について伺う。
(1)公立及び民間学童保育室の入室審査基準について。
(2)公立及び民間学童保育室の申請方法について。
(3)公立学童保育室の保育状況と預かり時間について。
ご答弁をよろしくお願いいたします。
2の公立および民間学童保育室について、(1)公立及び民間学童保育室の入室審査基準について、お答えいたします。公立学童保育室の入室申請を行うに当たり、保護者は、就労、出産、療養、障害及び同居親族の介護等、児童の学童保育を要する事由が必要となります。また、入室審査基準については、これらの保育事由の内容や、学年、家庭状況など、保育の必要度を点数化し、入室を決定しております。民間学童保育室についても、学童保育を要する事由は公立学童保育室と同様であり、公立と同様にすることが市の補助対象要件の一つとなっておりますが、入室審査基準につきましては、一律の適用はなく、例えば、兄弟での入室や延長保育を要する家庭について考慮するなど、各学童保育室独自の考えが反映されたものとなっております。
次に、(2)公立及び民間学童保育室の申請方法について、お答えいたします。公立学童保育室の新年度申請については、市役所で受け付けており、市ホームページ、広報及び就学時健康診断の案内時に周知するほか、公立及び私立保育園に入室申請要領を配布いたします。新規入室の一次申請は、例年11月中旬から下旬にかけて郵送受付を行うとともに、12月上旬に市役所において一斉受付を実施します。その後書類審査を行い、1月下旬から2月上旬にかけて決定通知を発送いたします。説明会は入室前に各学童保育室で実施し、見学は事前に連絡をいただいた上で随時受け付けております。なお、既に入室している児童については、学童保育室経由での申請となっております。また、民間学童保育室の新年度申請については、各学童保育室でそれぞれ異なる時期に受け付けておりますが、例年9月から11月にかけて各学童保育室で説明会等を実施したうえで申請書を受け付けており、多くの学童保育室が12月頃に入室決定を行っております。
次に、(3)公立学童保育室の保育状況と預かり時間についてお答えいたします。学童保育の基本的な内容については、公立も民間学童保育室も同様であり、放課後に集団生活や遊びを通して児童の健全育成を図り、学習については時間を設けて自主的に宿題を行うよう児童を促し、また、夕食までの空腹を満たせるよう、途中でおやつを提供いたします。
保育を担う人員については、公立学童保育室では会計年度任用職員の指導員と補助員が児童を見ておりますが、慢性的な人員不足が続いており、特に人員確保が困難な学童保育室には派遣職員を配置しております。今後は、民間活力の導入等より、安定した学童の運営を目指してまいります。また、公立学童保育室の預かり時間については、平日が放課後から午後7時まで、土曜日や夏休みなど小学校の長期休業期間は、午前8時から午後7時までの開室となっております。
ご答弁ありがとうございました。
それでは(1)の再質問をさせていただきます。
令和4年11月実施の「美谷本小学校学童保育室の民間活力の導入」のパブリックコメントでは、「民間の学童は習い事を沢山取らないと入れないと聞いた。シングルマザーなど優遇措置がなくなり、お金を払えない家が入れなくなることはおこならいか。」といったコメントが寄せられましたが、私も同じような相談を受けたことがあり、ママ友からは「民間学童の入室説明会では、その学童でどれだけたくさんの習い事を申し込むかを入室基準にします、と明言していた学童保育もあるけれど、市が補助を出している民間学童がそのような選定基準を設けることはフェアではないのではないか。」とのご意見をいただきました。
(1)のご答弁では、「民間学童保育についても、学童保育を要する事由は公立学童保育室と同様である」とあり、つまり、「保護者の就労、出産、療養、障害及び同居親族の介護等、児童の学童保育を要する事由」は、公立学童と同様にすることが市の補助対象要件のひとつとなっています。民間学童保育室に入室できるかどうか、つまり審査に通るのか落選するのかという決定は、保護者やその家族の人生をも大きく左右する非常に重要な決定ですが、入室を決定する審査基準については、各民間学童保育室の独自の考えが反映されたものとなっており、基準が一切公表されていないことについては、保護者の方々への十分な説明が必要かと思います。
そこで(1)の再質問ですが、公立だけではなく民間学童においても、公平性・透明性・納得性を確保する基準とするために、民間学童の入室審査における一定の基準を公表することはできないかどうか、お伺いいたします。
再質問(1)へのご答弁:本市はこれまで、公立学童保育室の待機児童対策として、民間学童保育室を25室誘致してまいりました。これらの民間学童保育室については、市が補助金を交付するにあたり、施設、運営及び利用料について市の基準を満たすこと、また、登録児童は公立学童保育室と同様の基準を満たすことを要件としていることから、基本的には市に準じた運営となっております。また、入室審査基準につきましても一律の基準はございませんが、参考として、市の入室審査基準の考え方をお伝えしてきており、各民間学童保育室において、保育の必要性や家庭状況を考慮し、入室審査を行っております。その上で、各事業者の環境や考え方により、独自の基準が設けられているところです。民間学童保育室の入室審査基準につきましては、市としましても、オプションの取り扱い等を含め、保護者に丁寧に説明できるよう、また、習い事については誤解を招くような過度の案内とならないよう改めて依頼してまいります。また、現地調査時には、運営実態の把握について、より力をいれてまいります。
「入室審査基準について一律の基準はないけれど、参考として、市の入室審査基準の考え方をお伝えしている。」とのことですが、現場の保護者の声を聞く限りでは、民間学童の独自の基準で審査が行われている要素が強いように感じます。今後は審査基準についても実態を把握していただき、審査の透明性や公平性を考慮していただき、保護者に対しても丁寧な説明をしていただけますよう、よろしくお願いいたします。
続いて(2)の公立及び民間学童保育室の申請方法についてですが、民間学童の申請方法については、各学童保育室ごとに異なる時期に説明会を実施して個別に申請書を受け付けている、とのご答弁でした。冒頭でも触れましたが、保護者からは、「一括で市に入室申請を行う保育園とは違い、公立および各民間学童にひとつひとつ申請を行うのはワーキングマザーにとって大変負担である。」とあり、特に民間学童では、一括申請も含めた負担の少ない申請方法を考えていただけないか、との切実な要望も届いています。
私も調べてみたところ、戸田市の民間学童の運営方法は「委託・指定管理」などの点で他の自治体とは異なる点も多く、さいたま市のような一括申請は現実的には難しいと思いますが、例えば、保護者の民間学童への申請手続きの負担を軽減するための対策として、複数の民間学童の合同説明会を行ってはいかがでしょうか?
神奈川県横浜市保土ヶ谷区では民間学童の合同説明会を実施しており、10か所以上の民間学童が参加しているそうです。説明会では、実際に子供を通わせる保護者の生の声を聞くことができたり、複数の民間学童の情報を一度で得られる機会を保護者に提供しているそうです。
他にも大阪府の茨木市(いばらきし)でも民間学童の合同説明会を実施しており、ホームページでも次のように書かれています。「茨木市内には「公立の学童」、「民間の学童」の複数の選択肢がございます。それぞれの違いや特徴を正確に把握することは容易ではなく、特にフルタイムで就業されている保護者様の場合、必要な情報を集める事さえご苦労されることと存じます。(中略)学童の選び方のポイントと実際の学童の事例の両方を聴くことで、各ご家庭に最適な学童選びに役立てて頂けることを願っています。」とあり、ワーキングマザーの情報収集の時間的・物理的な負担を自治体がよく理解していて寄り添っています。そこで(2)に対する再質問となりますが、戸田市においても、保護者の民間学童における情報収集の負担を減らし、合理的に申請手続きを進められるように、市が主導となり合同説明会を開催してはいかがでしょうか?
再質問(2)へのご答弁:民間学童保育室の説明会については、各学童保育室の特色と環境を知っていただくための施設見学を兼ねていることが多く、その場で子どもたち同士の交流やダンス体験などを実施するところもあり、多くの民間学童保育室が現地説明会を重視している状況でございます。そのため、合同説明会を実施した場合でも、改めて現地説明会を案内することとなります。各学童保育室においては、保護者の不安や負担をできる限り減らすよう努めており、例えば、保護者の都合の良い日に予約を行っていただいた上で説明を行うなどの個別対応のほか、基本的な説明のオンデマンド配信、公式LINEによる質疑応答、申し込み完了メールなど、説明会前後の接点について負担軽減の工夫をしている学童保育室もございます。市としましても、各民間学童保育室に対し、できる限り保護者の負担が少なくなるよう協力をお願いするとともに、市のホームページ上で民間学童保育室の説明会の情報に簡単にアクセスできるようにするなど、引き続き保護者の負担軽減に努めてまいります。
多くの民間学童保育室が現地説明会を重視しているとのことですが、保護者目線からすると、「初めての子供を学童に入室させたいけど、何を基準に選んでいいのか分からない。」といったご家庭も多いかと思います。まずは広く浅く複数の学童保育の情報収集をしたい保護者にとっても合同説明会は助かる保護者も多いのではないでしょうか。ぜひ今後、検討していただけますとありがたく思います。
続きまして、(3)の公立学童保育室の預かり時間については、平日、そして土曜日や夏休みも午後7時までの開室とのことです。保護者からは「本来であれば学校の敷地内にある公立学童保育に入室させたいが、預かり時間が19時までであり、残業があるとお迎えが難しく、民間学童以外に最初から選択肢がない」という家庭もあります。
特に注目したい点に母親の働き方があり、育児・介護休業法の法律では3歳まで時短勤務が認められており、小学校入学前の子供がいる保護者に対しては時短勤務や残業の制限の「努力義務」が設けられています。しかしながら、「小1の壁」と言われるように、子供が小学生以上の保護者に対する措置は、育児・介護休業法での取り決めはありません。つまりは保育園の頃に比べて小学校入学後には、保護者の勤務時間が長くなります。保護者が時短勤務を取得できる保育園の頃は20時まで預けられる保育園も多いのに対して、子供の小学校入学を機に親の時短勤務が外れて残業なども発生する中で、公立学童の最大預かり時間は19時までとなり保育園よりも短くなります。そのため、本来であれば公立の学童に入室させたくてもお迎えに間に合わず、最初から民間学童しか選択肢がないというご家庭も多いかと思います。
このような「小1の壁」が社会的にも問題視される中で、例えば東京都中央区では、今年から公立学童保育の預かり時間を19時から19時30分までに延長しました。それにより民間ではなく公立学童保育を選べるご家庭も増えたのではないでしょうか。
そこで(3)について再質問ですが、戸田市においても共働き家庭の選択肢を増やし、公立学童保育室の環境をよりよくするため、預かり時間を延長をすることは検討できないかどうか、お伺いいたします。
再質問(3)へのご答弁:現在、公立学童保育室のお迎えのピークは17時から18時の時間帯であり、18時30分以降のお迎えは各学童保育室、数人の状況でございます。また、民間学童保育室においても、19時以降の延長保育を利用している方は、各学童保育室で1日あたり2名程度となっております。公立学童保育室の預かり時間の延長につきましては、これらの状況に加え、指導員等の人材確保の課題もあることから、今後の需要の動向や社会情勢等を見極めてまいりたいと考えております。
ありがとうございます。ぜひご検討をよろしくお願いいたします。
最後のまとめとなりますが、海外では子供を一人で留守番させてはならないという法律が定められている先進国も多くあります。
例えばアメリカでは、イリノイ州で14歳、オレゴン州で10歳、メリーランド州で8歳以下の留守番が違法とされており、カナダでは12歳以下の子供だけでの留守番や外出をさせてはいけない決まりがあり、一部の州では法律でも定めてられています。
イギリスでは年齢を定めた法律はないものの、政府のホームページでは、12歳未満の子どもは長時間一人で家に残すべきでないことや、年齢に関係なく子どもが不安を感じている場合は留守番させてはならないこと、きょうだいと一緒に子どもを留守番させる場合、兄弟喧嘩が起こる可能性や、そのときにお互いが安全だと言えるかどうか考慮することなど、細かいガイドラインが示されています。
ニュージーランドやオーストラリアでも同様の法律があり、海外では、子どもを一人にすることに対して社会から非常に厳しい目が向けられています。
海外と日本の事情にはもちろん違いもありますが、子供が小学校に入学したからといってすぐに一人で留守番ができるわけではなく、防犯面や安全面での親の心配は尽きません。小学生の子供には、大人の目や見守りがまだまだ必要だと感じています。
私自身も共働きの両親のもとで育ち、学校の敷地内にある公立学童に通っていましたが、小学校3年生の頃からは昔で言う「かぎっ子」でした。ですが当時は公園に行けば沢山の友達がいたり、近所のお母さんに頼ることもできました。ですが、私の子供の頃と今の時代では状況が大きく変わりました。
現代社会では、子供が保育園から小学校に入学した途端に子供の放課後の過ごし方で悩む保護者も急増し、親の働き方を変えざるを得なかったり、仕事を辞めざるを得ない「小1の壁」はいまだ十分に解消されておらず、子供の放課後の環境整備はまだ十分とは言えないのではないでしょうか。
先日、母子家庭で子育てが大変というお母さんから公立学童に関しての相談がありました。「学童で子供が怪我をした時に、指導員さんの目が届いておらず、ちゃんと対応をしてもらえなかった。安心して子供を預けられず、どこに相談していいかわからなくて本当に困っている。」という内容でした。
公立学童保育は慢性的な人手不足であると聞いていますが、学童でトラブルがあったときに相談できるような体制づくりも必要かと思います。
戸田市においても今後の「民間活力の導入」に期待したいと思いますし、先日の総括質問では菅原市長から「公立学童保育全体の質の向上を目指す」とのご答弁がありました。
学童保育を利用する期間は長くはないかもしれませんが、毎日をそこで過ごす子供や保護者にとってはとても大切な数年間であり、保護者も子供自身も安心して放課後を過ごすことができる環境整備を心より切望いたします。
また、子育てしながら「働きたい」と就労意欲のある親が、小1の壁によって仕事を続けられなくなってしまう状況は、社会にとっても大きな損失であり、本当に悔しく思います。子供の環境の変化によって、親がとたんに無職になりかねない日本の現実は先進国とは思えず、このような状況では少子化が加速するのは必然かと思います。
異次元の少子化対策も表明されましたが、何よりもまず、子育てに必要な制度を、希望する全ての人が利用できるという根本的な対策が求められているのではないでしょうか。今でも、仕事と子育てで綱渡りの日々を送る家庭が市内にはたくさんあり、私にも多くの相談が寄せられています。
引き続き、子供たちが放課後を安心して過ごせる環境整備を心からお願いいたしますとともに、これで私の一般質問を終わらせていただきます。本日は執行部の皆様からも丁寧なご答弁をいただきまして、ありがとうございました。